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財務諸表の基礎知識〜これで完璧!しくみがわかった!

第1回 財務諸表の基本

(小泉 禎久=公認会計士・税理士)
更新日: 2007-03-30 

 財務会計は、経営活動のうち、貨幣(金額)で測定できるものを複式簿記という方法を用いて記録し、その成果を財務諸表(決算書)にまとめることをいいます。企業には、貨幣で測定可能な「経営活動」を、「簿記」という方法で記録し、その結果から「財務諸表」という一年間の会社の経営の結果を表す資料を作成するという一連の仕事があります。この仕事は、企業が存続する限り毎年行われます 。



財務諸表とは

経営成績
企業が、一定期間内にあげた利益・損失等経営成績。

財政状態
会社がどのように資金を調達し、どのように運用しているかを表す。
 会社は営利を目的に経営され、1年に1回決算があります。この決算で、会社が儲かったのか、損したのか、資金繰りはどうだったのか確定します。
 「今期は前期より利益が増加している」、「当社は他社より経営成績がよい」などを判断するとき、何を見ればいいのでしょうか。
 結論から言えば、「財務諸表」と呼ばれるものを見ると、企業の経営成績、財務状態がわかります(注)。

 「財務諸表」は、一般的には、決算書と呼ばれるものです。更にわかりやすく言うと、企業の1年間の「通信簿」です。財務諸表には、1年間の企業が、どのくらい費用をかけて、どのくらい儲けたのかが詳細に書いてあります。

 具体的には、企業の成績を表す財務諸表には、以下の4種類あります。

 1.損益計算書(P/L)
 2.貸借対照表(B/S)
 3.株主資本等変動計算書(S/S)
 4.キャッシュフロー計算書(C/F)


 財務諸表が読めるようになると、企業の「成績」が詳細にわかるようになります。




財務諸表が作成される目的

 財務諸表を作成する目的は、対外的な目的と社内目的の2つに分類できます。

対外的目的

 債権者・株主・取引先等へ正確な財務内容を開示することによって、社会的な信用を確保するとともに、融資・出資・取引拡大などにつなげることを目的としています。上場企業の場合は、証券取引法などによって適時の情報開示が義務づけられています。
 また、税務申告をする際にも、財務諸表(損益計算書)の税引前当期利益をもとに、会計上の収益、費用と税務上の益金・損金の異なる部分を調整して、課税所得を算出します。

社内目的

 財務諸表を作成することによって、自社の財政状態、経営成績を定量的に把握し、分析を加えた上で、経営改善に役立てます。

  1. 適正な財務諸表を作成することによって、企業活動の結果を正確に把握する
  2. 財務諸表を分析し、分析結果から自社の経営上の具体的な問題点・課題を抽出する
  3. 課題を解決するための改善策を検討のうえ、実行計画を作成する
  4. 計画を実行し、進捗状況をフォローする
  5. 改善策の効果を確認するとともに、計画(目標)との比較分析・評価を行う

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小泉 禎久[こいずみ・よしひさ]
小泉会計事務所所長。公認会計士・税理士。1963年東京都生まれ。1986年明治大学政治経済学部卒業。一橋大学大学院国際企業戦略科中退。 1995年に公認会計士二次試験合格。
一般企業人事部、大手監査法人公開業務部を経て、小泉会計事務所開設。起業間もない企業からベンチャー企業、中堅企業の経理・財務・税務指導のほか、各種セミナー講師も行う。著作として、『企業規模別に見る中小企業会計指針の「必要十分」な適用法』(旬刊速報税理)、『変わる資金調達環境と税理士の指導』(旬刊速報税理)、『中小企業会計指針の適用ポイント』(日経ベンチャー経営者 クラブ)など。

小泉会計事務所
http://www003.upp.so-net.ne.jp/yoshi_k/

 

第1回 財務諸表の基本
第2回 資金の動きと財務諸表
第3回 主要な財務諸表
第4回 財務諸表の利用
第5回 貸借対照表を知る@
第6回 貸借対照表を知るA
第7回 損益計算書を知る@
第8回 損益計算書を知るA
第9回 キャッシュフロー計算書を知る
第10回 株主資本等変動計算書